重量エネルギー密度とは

1. kJ/kg

 エネルギー密度とは物質単位重量でどれだけのエネルギーを蓄えることができるかを表す数値です。 単位はジュール/kgです。 kJ/kgの最初の"k"はキロで1000J/kgの意味です。 ジュールというエネルギー単位がピンと来ないかもしれないので鉄道の世界で具体的に例えてみましょう。 100トンの車両を時速約51キロまで加速するのに必要なエネルギーは約10000キロジュールに相当します。 ただし、加速中に車輪の摩擦、慣性モーメント、空気抵抗などを無視した場合の計算です。 一方、時速140キロまで加速するには約75000キロジュール必要です。高速まで加速するのにいかに大量のエネルギーが必要かよくわかります。 このような大きな数字は表現しにくいのでキロジュールの代わりにメガジュールという単位を使います。 メガとはキロの1000倍の量を表す記号です。 つまり75000キロジュールは75メガジュール(MJ)と同じです。 ちなみにこれだけのエネルギーがあると、水温0℃の水1トンを約18℃まで加温できることになります。 たとえば1トンで75MJのエネルギーを蓄えることができる蓄電装置があった場合、その重量エネルギー密度は75kJ/kg、つまり0.075MJ/kgとなります。

2. kWh/kg

 ジュールの代わりにkWhという単位を用いる方法もあります。 kWhとは1時間連続して何キロワットの出力を発生し続けることができるかを表します。 上述の75MJのエネルギーはkWhで表すと約20.8kWhとなります。 もし、75MJの容量があるバッテリーを積んだハイブリッド車があった場合、1時間連続して電動機を駆動できる出力は20.8kWということを意味します。
 一方、見方を変えて30分でよければ倍の出力、6分であれば10倍の208kW、1分であれば60倍の約1250kW出せることになります。 このバッテリーの重量が1トンだった場合、重量エネルギー密度は20.8Wh/kgと表現されます。

 

 

 

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